2007 Fiscal Year Annual Research Report
片麻痺・活動制限のある患者の臥位姿勢における手浴用べースンの開発と検証
Project/Area Number |
19659565
|
Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
川島 和代 Ishikawa Prefectural Nursing University, 看護学部, 教授 (40157855)
|
Keywords | 手浴用ベースン / 片麻痺 / 拘縮 / 臥床状態 |
Research Abstract |
現在、日本では手浴に用いる看護用具としては、市販の既製の洗面器が用いられているが、長期臥床で拘縮手のある患者の手浴に効果的なケア用具をデザイン・開発できないかと考え取り組んでいる。まず、介護保険施設における長期臥床患者の拘縮した手の衛生状態の実態を調査したところ、ADLが低下し、拘縮のグレードの高い者ほど手指の汚染状況(ATP拭き取り法)が著しいことが明らかになった。また、同対象の入浴回数別(週1回と2回)に汚染状況をみたところ、いずれも汚染状況が著しく有意な改善はみとめなかった。つまり、入浴回数が週2回程度では汚染状況の改善は見られないという事である。また、「通常の入浴」、「手浴」ならびに「入浴時の入念な手指洗浄」の各前後の汚染状況を見たところ、「手浴」と「入念な手指洗浄」では汚染度は有意に低下したが、「通常の入浴」では汚染状況の改善には差が見られなかった。わが国の「介護保険施設等の運営に関する基準」では、週2回程度の入浴ないし清拭と規定されているが、現状の入浴の回数や方法では長期臥床患者の手指衛生が保ち得ないことが明らかとなった。これらの実態から長期臥床患者の手指の衛生状態の改善につながる新たなべースンA(特徴:ベースンに一定以上の深さがあり、ベッド上側臥位やファーラー位にても安定して置ける形状、95%タイルの人の手のサイズを基準として製作)を考案・試作した。現在、有用性について検討、検証をすすめている。次年度はべースンB(特徴:体や手の拘縮が著しい対象に併せて使用できる可変性が大きいべースン、ビニール袋対応型)を試作する予定である。従来の洗面器やベースンAと比較検討し、より有効なベースン作成を行う予定である。べースンAは考案した研究協力者名にて現在特許出願中である。
|