2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659572
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
松尾 和枝 The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing, 看護学部, 講師 (90389502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 朋子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (30352347)
喜多 悦子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (40075130)
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Keywords | 看護学教育 / 労働力移動 / インドネシア |
Research Abstract |
平成20年度は、昨年に引き続き、タイ・フィリピンに関して、看護学教育に携わっている関係者から、看護教育上の制度および基礎看護教育、継続看護教育の現場における課題等について聞き取り調査を行なった。さらにタイ・フィリピンにおける看護学教育の教科書、シラバスを基に、各国の教育内容として共通する要素、異なる要素を見出し、文化的背景との関連を考察した。一方、EPAに関連し、インドネシアより看護師が来日する社会情勢を受け、インドネシアを訪問し、政府関係機関、看護協会、看護学教育機関(大学)、送り出しに関わる機関等から、聞き取り調査を行なった。 その結果、タイは、看護学教育はすべて大学4年課程でおこなわれており、カリキュラム構成や基盤となる看護哲学・理論については、主にアメリカのものを取り入れていた。一方で、教育内容として、独自に薬草療法やマッサージなど、伝統的な療法をふくんでおり、看護研究として進められていることがわかった。フィリピンは、積極的に海外へ看護師を送り出す政策をとっており、看護学教育のカリキュラムは統制されている。多くの国々で看護実践を行なうための、標準化されたプログラムが形成されていると考えられる。インドネシアについては、看護学教育の大学化はまだ十分ではないが、海外への送り出しに関連し、主にアメリカのカリキュラムや教科書を取り入れた教育が一部なされていた。 いずれの国でも、看護学教育のカリキュラム構成や看護哲学・理論について、アメリカおよび先進国のものを取り入れていた。看護学教育関連者との討議で、看護実践の場面においては、自国ならではの伝統・文化を取り入れた看護理論、看護方法についての必要性を感じていることがあげられ、さらに、それを発展させることで、アジア間の看護師の移動に関して、実践レベルでの示唆が得られる可能性がある。しかし、文化的背景には、宗教上の課題等もあり、臨床現場にどのような影響を与えているのか、さらに、看護教育場面や臨床場面を調査する予定である。
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