2008 Fiscal Year Annual Research Report
リーダーシップとデリゲーション能力が大卒看護師の「仕事のやりがい」に及ぼす影響
Project/Area Number |
19659573
|
Research Institution | St.Mary's College |
Principal Investigator |
宮林 郁子 St.Mary's College, 看護学部, 教授 (40294334)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 艶子 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (50199006)
宮脇 美保子 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (10263493)
足立 みゆき 岐阜大学, 医学部, 准教授 (20263494)
|
Keywords | リーダーシップ / 基礎看護教育 |
Research Abstract |
看護基礎教育で獲得されたリーダーシップやデリゲーション能力が看護師の仕事のやりがいにどのように影響しているのかを明らかにすることを目的とした。方法及び結果:無作為に選んだ61看護系大学の教授・准教授、臨床看護師(4大卒156名、役職108名)に質問票を送付した。前者は臨床経験3〜15年、教育歴5年の教授からの回答が最も多かったが、リーダーシップやデリゲーションについての教育を行っているところは、半数程であったが、回答した教員は看護師の臨床におけるリーダー能力の必要性、仕事のやりがいとリーダー能力は関連していると感じていた。また、デリゲーション能力の育成の必要性も感じていた。これは、リーダー能力と仕事のやりがいが臨床経験によって違いがあるからだと言える。大学での教育には有意差はなかったが、自己のリーダー能力の評価が高く、自信があると答えた者はリーダー能力が仕事のやりがいに支配的であり、デリゲーション能力をうまく使うことで、病棟運営も良くなると考える者が多かった。米国のペンシルバニア州立大学、カリフォルニア大学の教員へのインタビューでは、リーダーシップ、デリゲーションの学部の教育の実際と必要性が確認できた。考察及び結論:臨床看護能力の一つとして重要視されているデリゲーション能力は近年医療費削減、質の保障、入院日数の短縮化の政策体制の中、継続教育だけでは成しきれない状況である。ケアチームのスキルミックス化は看護に変革を求めてくると推察され、デリゲーション能力はどのレベルでも問われてくる。今回の調査で、臨床経験の長い教授職にその必要性が感じられながら、学部での教育がされていない状況が浮き彫りにされた。また、デリゲーション能力は病棟運営をスムーズに行うための要素であるという認識が臨床看護師にあり、臨床経験の少ない大卒の看護師も自分のデリゲーション能力に自信がもてれば、仕事のやりがいを感じることができると推測された。
|