2008 Fiscal Year Annual Research Report
温熱療法が人工呼吸器装着中の重症患者の呼吸機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
19659588
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
明石 惠子 Nagoya City University, 看護学部, 教授 (20231805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二本柳 圭 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (90457929)
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Keywords | 看護学 / ストレス / 熱工学 / 重症患者 / 人工呼吸器 / 温熱療法 / リラクセーション / 補完代替療法 |
Research Abstract |
【目的】 クリティカルケア領域で人工呼吸器を必要とする患者は、もともとの病態と人工呼吸によって呼吸仕事量の増大が起こりやすい。温熱療法の効果は、血流増加、筋肉の弛緩、リラクセーション作用と言われている。人工呼吸器装着中の患者に温熱療法を用いることで、その効果により呼吸仕事量を軽減させる可能性がある。 本研究の目的は、まず、研究1で遠赤外線シートの貼用部位の違いによる呼吸機能への影響を明らかにする。次に研究2で、人工呼吸器装着患者における遠赤外線シートによる呼吸機能の変化とリラクセーション効果から呼吸仕事量への効果を明らかにする。 【方法および結果】 昨年度行った研究1の結果について再度事例分析をした。その結果、足部への貼用時間を延長することでリラクセーション効果が持続する可能性を認めた。そこで、研究2へ進む前に再度、健常者12名に足部へ遠赤外線シートを1時間貼用し、貼用後2時間調査した。その結果、遠赤外線シートの貼用によって、心拍変動解析による自律神経機能から、貼用から貼用後2時間は副交感神経優位性であるHF周波数の増幅を持続的に認めた。サーモグラフィーによる温度分布の変化では、足部に遠赤外線シートを貼用しても胸部、手足部ともに持続的に約2〜3℃の温度上昇と維持が認められた。 これらから、遠赤外線温熱療法による足部1時間の貼用は、副交感神経の優位性によるリラクセーション効果と胸部の皮膚血流上昇と維持効果が高いことが示唆された。 【今後の予定】 現在、健常者の結果をまとめ論文投稿準備をしている。また、これをふまえて、2009年5月より、人工呼吸器装着中の患者に足部へ遠赤外線シートを貼用しリラクセーション効果と特に呼吸機能への影響を明らかにする予定である。
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