2007 Fiscal Year Annual Research Report
月経周期の諸症状と子宮内膜症リスクに関するヘルスアセスメントシートの開発
Project/Area Number |
19659593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田渕 康子 Saga University, 医学部, 准教授 (90382431)
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Keywords | 子宮内膜症 / 月経 / 月経の諸症状 / リスクアセスメント |
Research Abstract |
子宮内膜症のスクリーニングや自己管理のたあのアセスメントシートの開発を目的に、月経および月経に伴う諸症状等に関する調査に取り組んだ。平成19年〜平成21年12月に、18歳から39歳までの婦人科未受診の女性184名を対象に、1周期の月経血量の測定と属性、月経歴、月経痛等に関する自記式質問紙調査を行い、170名(回収率92.4%)から回答が得られた。調査票への記入漏れなどを除いた165名を分析対象とした。平均年齢25.4歳(±5.9)、月経歴は、初経年齢12.2(±1.3)、月経周期30.3日(±3.9)、月経持続日数5.9日(±1.1)であった。子宮内膜症発症のリスクが高いとされる月経周期が28日未満の人が10.1%、月経持続日数7日以上の人は34.8%、近親者に子宮内膜症患者がいる人が6.1%であった。1周期の月経血量の平均は73.1g(±46.5)で、120g以上の人が9.1%であった。月経周期の疼痛症状では、月経痛がある人が80.5%で、日常生活に支障をきたすような激しい月経痛を自覚している人が8.4%、排便時痛や性交痛など子宮内膜症特有の痛みを自覚している人が、それぞれ5.2%、3.8%で、これらの人は潜在な患者である可能性がある。年齢と初経年齢との関連を、Spearmanの順位相関係数の検定でみた結果、有意な正の相関がみられた(P<0.01)。月経周期の諸症状から婦人科未受診の女性の中に潜在的な患者である可能性が高い人がいること、初経年齢の低年齢化・月経持続日数の増加などから月経の累計により子宮内膜症発症のリスクが高まることが明らかになった。 さらに、子宮内膜症の診断を受け医療機関に受診中の患者を対象に同様の調査を実施している。
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