2007 Fiscal Year Annual Research Report
虚血肢をもつ患者における皮膚血流改善のための看護ケアの検討
Project/Area Number |
19659599
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
北山 幸枝 Shukutoku University, 看護学部, 准教授 (20419740)
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Keywords | 虚血肢 / 皮膚血流 / ABI / マイクロスコープ |
Research Abstract |
当初の研究計画では、「血圧脈波検査装置」によるABI測定に加えてデジタル画像の評価を検討後、研究方法を決定する予定であったが、6月に新たな画像解析による定量的評価法の知見が先行研究論文から得られたため、平成19年7月〜12月まで、新しい画像解析方法の検討および画像解析プログラムの入手、測定評価に係る技術の習得(開発者より受講)を行った。平成20年1月より具体的な計画立案を開始し、2月の倫理委員会承認(N07-002)後、3月〜4月に、健康成人10名のデータ収集を行った。 対象の概要は、年齢38.7±13.7歳、女性8名,男性2名、足部冷感の訴えは5名にみられた。すべての対象において、下腿皮膚の血行動態を反映する指標であるABI低下はみられなかった。さらに、足背動脈の走行部位である足背部、前脛骨動脈の走行部位である足首部(内顆より10cm中枢側の下腿前面)の2部位において、個々の皮膚血行状態を反映する皮膚温や酸素飽和度の大小(高低)と皮膚のビデオマイクロスコープの二値化画像の間には、特徴のある所見や傾向はみられなかった。 また、同部位の皮膚機能を反映する角質水分量、pHについても、異常値はみられず、測定部位により特徴のある所見や傾向はみられなかった。 以上の結果から、下腿部皮膚に肉眼的、さらに拡大したマイクロスコープ所見を用いた観察所見においても、ABIが正常範囲内にある健康成人においては皮膚血流や血行動態を反映するような変化がみられなかったといえる。このことから、今後は同様の測定項目・方法で下肢血流障害がみられる対象においてパイロットスタディを行った後に、虚血肢をもつ(ABI値が0.8以下の)対象での調査について検討していく必要がある。
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