2009 Fiscal Year Annual Research Report
18歳以上の青年期虐待被害者への自立支援システム構築の基礎調査
Project/Area Number |
19659608
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
花田 裕子 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80274744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永江 誠治 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50452842)
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Keywords | 児童虐待 / 青年期 / 自立支援 |
Research Abstract |
本年度は、19年度に計画してた日本子ども虐待防止学会 自主シンポジュウムを本年度開催した。90名定員の会場に127名の参加者があった。シンポジストは、子どもシェルターと自立援助ホームを運営している組織の弁護士・児童相談所が運営している若者自律支援センター担当者・子どもの生活支援と自立援助ホームを運営しているNPOの事務局の3名による実践と課題について報告していただいた。その経過で、組織間のネットワーク構築の課題が明確になるとともに、それぞれの活動について情報がいきわたっていないことも分かった。これまでのインタビューデータの分析により、医療的なアドバイスや情報が不足していること、地方によって自立支援への取り組みに大きな格差があることが明らかになった。また、自立支援の問題は中学卒業後に養護施設に入所していないケースでは深刻な状態であることが分かった。受け皿である自立援助ホームは現在57ヶ所で、さらに増加傾向にあるが、設置認可は国が行っているが設置は自治体の努力義務であり、地方格差があった(島根3ヶ所・北海道1ヶ所・九州地区2ヶ所など)。6月に開催された世界看護学会に参加して、児童虐待被害児・者の自立支援における看護師の活動について情報収集を行った。昨年度参加した国際子ども虐待防止学会では、看護師の発表がほとんどなく、法制度や福祉制度の違いにより18歳以上のサポートは継続して行われていることが多いことは明らかになったが、看護師の役割は不明であった。世界看護学会は、南アフリカで開催されたこともあってアフリカの貧困・飢餓による子どもの生活環境の劣悪さの改善指導に関する発表が複数あった。情報交換によって、韓国・台湾・中国でも児童虐待が増加しているとのことであったが、18歳以上の被害者の自立支援についての取り組みは行われていないようであった。現在、これまでの調査結果をまとめた論文を執筆中であり英文誌に投稿予定である。
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Research Products
(1 results)