2008 Fiscal Year Annual Research Report
エビデンスに基づく老年看護促進のためのトランスレーショナル・リサーチ導入の試み
Project/Area Number |
19659611
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松岡 千代 University of Hyogo, 看護学部, 准教授 (80321256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱吉 美穂 兵庫県大学, 看護学部, 助教 (80514520)
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Keywords | 老年看護 / トランスレーショナル・リサーチ / EBN |
Research Abstract |
本研究は、「トランスレーショナル・リサーチ(Translational Research:以下TRとする)」と呼ばれる研究手法を活用し、エビデンスに基づく老年看護を臨床に適用する介入モデルを実践し、モデルの改良を図りながら量的・質的側面からその有効性を検証することにある。本研究で採用する介入モデルは、IOWA大学で開発された、「エビデンスに基づく実践のステップモデル(IOWAモデル)」(Titler,et al,2001)である。 平成20年度は、IOWAモデル検証の実施準備段階として、IOWAモデルの日本での適用可能性を検討した。まずは、エビデンスに基づく実践を取り入れるにあたって、研究協力者の勤務する病棟で課題となることを抽出し、また昨年度の文献レビューを参考にしてプロトコル案を作成した。作成したプロトコル案に関しては、実際に病棟でのケアに使用可能かどうかについて、研究協力者の勤務する病棟看護師に提示してもらい意見の集約を行った。その上で、エビデンスに基づく看護実践の導入における課題を明らかにするため、研究協力者に対してフォーカスグループインタビューを実施しており、現在その内容については分析を進めているところである。 また、Pacific Institute of Nursing Advancing Practice, Education,& Research Conference(米国、ハワイ州)に参加し、米国におけるEBN実践・研究の現状と課題について知見を得た。特に米国の大規模病院では、病院全体をあげてEBNに取り組み成果をあげているとの報告があり、我が国においてもEBNの臨床実践が積極的に取り組まれるような仕組みを構築すること、すなわち臨床へのトランスレーショナル・リサーチ導入の重要性が再認識された。そのためには、本研究において採用しているIOWAモデル(日本版)の作成と検証を早急に行うこと、病院看護管理部門対するEBN実践への理解を促進すること、またEBN実践を臨床で実際に行うことによる効果検証を行うことが急務であることが改めて認識された。
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