2009 Fiscal Year Annual Research Report
子どもをもつ若年層寡婦のニードとグリーフサポートプログラムの開発に関する研究
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19659614
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
倉林 しのぶ Takasaki University of Health and Welfare, 看護学部, 講師 (20389753)
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Keywords | グリーフサポート / 子どもをもつ寡婦 / 寡婦対策事業 / よい看護師 / ストレス |
Research Abstract |
平成21年は、都内のサポートグループより紹介された「こどもをもつ若年層遺族」25名に対し、質問紙調査を実施し、面接済みの15名の対象者から得た結果と合わせ分析を行った。調査内容は、前年度までに結果して得た「母子世帯へのサポート不足」をもとに、行政サポートの認知度と利用頻度、また、死別前後に関わった医療職者への要望や医療者の態度や言動についての内容である。 計画書に予測したとおり、「こどもをもつ若年層寡婦」は、死別ストレス以外に「子どもに関わるストレス」「義父母、親戚との関係性によるストレス」また、「経済的不安」など、母親・若年であるが故に存在する内容が多かった。特に経済的不安に起因して、行政サポート(経済支援、就業支援等)を期待している傾向があったため上記の調査を実施した。その結果、行政サポートは数多く存在しているにもかかわらず、サポート自体の認知度が低く、また行政側の周知方法にも問題があることが示唆された。これにより、若年層を対象とした遺族サポートグループでの周知だけではなく、母子会や民生委員の活用、市町村母子家庭課関連の窓口等に「サポート一覧」を配布するなどの「行政サポートの周知」を徹底させることが必要であることがわかり意義あるものとなった。 また、死別前後における医療職者(看護師)に受けた印象についての内容分析を実施した結果、「よい看護師」をキーワードに、遺族ケアにかかわる看護職者に求められる資質や態度に関する示唆を得た。看護職への遺族ケア教育に生かしていくという意味で重要であると考える。今年度は終了年であるため、これらの結果をまとめ論文として発表、学会発表を行った。
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