2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞アイデンティティの時空間制御による神経細胞多様化の分子戦略
Project/Area Number |
19670002
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
星野 幹雄 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・病態生化学研究部, 部長 (70301273)
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Keywords | 神経科学 / 発生・分化 / 発現制御 / 小脳 / 細胞運命決定 |
Research Abstract |
Ptf1aアリルにMath1を、あるいはMath1アリルにPtf1aをノックインしたマウスの両者が完成し、その解析も前者後者ともに終了した。どちらのノックインマウスにおいても、Ptf1aおよびMath1の異所性発現領域から抑制性および興奮性神経細胞が生み出され、これらの分子が神経上皮の空間アイデンティティを与えるということが示唆された。さらに、蝸牛神経核を生み出す領域(ロンボメア2~5)や前小脳システム神経細胞を生み出す領域(ロンボメア6~8)でも同様な現象が認められた。 また、時間アイデンティティをコントロールする分子の同定にも成功した。小脳脳室帯の神経幹細胞は、最初プルキンエ細胞を生み出す性質を持っているものが、その後、Pax2陽性介在神経細胞を生み出すように形質を変えるということを、遺伝学的細胞運命追跡法によってあきらかにすることができた。すなわち、プルキンエ細胞を生み出す時間アイデンティティから、Pax2陽性介在神経細胞を生み出す時間アイデンティティへと、神経幹細胞の時間アイデンティティが遷移した(temporal identity transition)、ということを意味している。また、この遷移は、より腹側で早く、背側で遅い、ということも見いだした。さらに、転写因子Olig2がこの過程にブレーキをかけ神経幹細胞の時間アイデンティティの遷移を遅らせる働きがあるのに対して、Gsh1がその遷移過程を促進する、という制御機構があることも明らかにした。かように、小脳における神経幹細胞の空間および時間アイデンティティの多様性によって、多種多様な神経細胞が生み出されているという機構を明らかにすることができた。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Thioredoxin mediates oxidation-dependent phosphorylation of CRMP2 and growth cone collapse
Author(s)
Morinaka A, Yamada M, Itofusa R, Funato Y, Yoshimura Y, Nakamura F, Yoshimura T, Kaibuchi K, Goshima Y, Hoshino M, Kamiguchi H, Miki H
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Journal Title
Science Signaling
Volume: 4(179)
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Olig2 and Gsh1 regulate cell fate decisions in embryonic cerebellum2011
Author(s)
瀬戸裕介, 中谷智哉, 増山典久, 皆木康子, 熊井実, 濱口晶子, マークマグヌソン, 川日義弥, 池中一裕, 竹林浩秀, 石渡信一, 尾野雄一, 星野幹雄
Organizer
第34回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
横浜国際会議場
Year and Date
2011-12-13
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