2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスベクターを用いたレスキューマウス作出による遺伝子機能解析法確立とその応用
Project/Area Number |
19670003
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
平井 宏和 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70291086)
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Keywords | プルキンエ細胞 / 小脳 / レンチウイルス / Staggerer / 運動失調 |
Research Abstract |
ウイルスベクターを用いて神経細胞に遺伝子発現させ,その影響を小脳スライスパッチクランプ法で調べるには,標的遺伝子に加えて蛍光マーカーも同時に発現させることが必要となる。2つの遺伝子の同時発現には,2つのプロモーターを用いる方法と,IRES配列を用いる方法があるが,これまでの研究ではレンチウイルスベクターを用いた場合は,いずれの方法もうまくいかなかった。そこで,標的遺伝子とGFPの間にself-cleaving2Aペプチド(P2A)配列を挿入する方法を検討した。P2A配列,D(V/I)EXNPGPはPicornavirus由来で,細胞内でG(グリシン)とP(プロリン)の間で自然に切断される。GFPと目的遺伝子の間にP2A配列を挿入した融合コンストラクトをレンチウイルスベクタープラスミドに組み込んだ。ウイルス粒子を作製後,マウス小脳に接種し1週間後に小脳を調べたところプルキンエ細胞にGFPの発現が観察された。Western blotにてGFPと目的遺伝子産物が切り離されているのも確認した。このようにレンチウイルスベクターを用いた系においても,P2Aを介してGFPと目的たんぱく質を同一細胞に発現させることが可能であることが明らかとなった。 この方法を用いて,Staggererマウスの障害回復を試みるため,Staggererマウスを入手し交配させて数を増やしているところである。homozygousのStaggererマウスは生後30日あまりで死亡するため,繁殖には使用できない。そこでheterozygousのStaggererマウスを野生型とかけ合わせており,数も増え,2世代下のマウスまで得られている。
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