2009 Fiscal Year Annual Research Report
電流誘起スピンダイナミクスとスピン能動素子への展開
Project/Area Number |
19671002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 輝男 Kyoto University, 化学研究所, 教授 (90296749)
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Keywords | スピントロニクス / 磁性 / 能動素子 / 磁化ダイナミクス |
Research Abstract |
本研究では、電流誘起スピンダイナミクスの物理を明らかにするとともに、電流によるスピンの動的制御を利用したスピン能動素子への展開を図ることを目的としている。 この目的を達成するために、以下の項目の研究を行っている。 (1) 電流誘起スピンダイナミクスの物理の解明 (2) 電流誘起スピンダイナミクスを利用した能動素子の試作と動作実証 本年度の研究実績は以下の通りである。 (1) 電流誘起スピンダイナミクスの物理の研究 ・3端子素子を用いた磁気渦ダイナミクス研究 昨年度までに動作確認を行った3端子素子を用いて磁気渦ダイナミクスを研究した。この素子の出力は磁気渦ダイナミクスの時間分解測定に対応し豊富な情報が含まれており、磁気渦ダイナミクスの詳細な研究が可能であることがわかった。 ・磁気コアメモリー 既に実証してある磁気コアメモリーの電気的書き込み(Appl. Phys. Lett. 93(2008)152502)に引き続き情報の電気的読み出しが可能であることを示した(Appl. Phys. Express,印刷中)。 (2) 電流誘起スピンダイナミクスを利用した能動素子の試作および動作実証 ・磁壁発振器 Co/Ni垂直磁化膜を想定したシミュレーションを行い幅50nm程度まで安定した動作が確認された。既に幅30nmのノッチ加工技術を確立しており、このノッチに磁壁をトラップできることも確認した。
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