2009 Fiscal Year Annual Research Report
個体発生における細胞骨格の動態を制御する遺伝子ネットワークの解明
Project/Area Number |
19671003
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 亜砂子 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生ゲノミクス研究チーム, チームリーダー (80281715)
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Keywords | 線虫 / 細胞骨格 / ライブイメージング / 遺伝子 / 発生・分化 / 細胞分裂 |
Research Abstract |
本研究では線虫C.elegansの胚発生をモデル系として、RNAiによる遺伝子機能破壊と個体レベルのライブイメージングを統合的に用いることにより、個体発生における細胞骨格の動態を制御する遺伝子ネットワークを明らかにすることをめざす。今年度は以下の研究を行った。 1)線虫初期胚における中心体動態の定量的解析 昨年度に引き続き、野生型および細胞極性関連因子RNAi胚の受精直後から第二分裂までの中心体と細胞膜の4次元イメージデータを取得し、その動態を定量的に解析した。その結果、PAR蛋白質経路に依存して、星状体微小管と細胞膜との相互作用が前極側と後極側で異なることが見いだされた。 2)γ-チューブリンとAurora Aキナーゼがそれぞれ独立に寄与する微小管合成経路の解析 昨年度に引き続き、線虫初期胚ににおけるγ-チューブリンとAurora Aキナーゼがそれぞれ独立に寄与する二つの微小管合成経路の解析を行った。今年度の研究により、Aurora Aが関与する経路は、細胞分裂期に凝縮した染色体周辺で形成される微小管合成に必須であることを見いだした。さらに、変異型Aurora Aを用いたin vivo解析により、Aurora Aのキナーゼ活性は微小管合成に必要ではない可能性が示唆された。また、免疫沈降と質量分析によるAurora Aおよびγ-チューブリン結合蛋白質の網羅的同定をすすめている。その結果、線虫におけるγ-チューブリン複合体をはじめて同定し、その構成成分を明らかにした。その他の結合蛋白質についても解析をすすめている。
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Research Products
(7 results)