2011 Fiscal Year Annual Research Report
高分子フォトニック結晶によるアクティブ光機能デバイスの研究
Project/Area Number |
19675004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横山 士吉 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (00359100)
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Keywords | フォトニック結晶 / 先端光機能デバイス / 高分子合成 / 光物性 / 電気光学特性 |
Research Abstract |
本研究で材料基盤となる高性能電気光学高分子を実用的な耐久性レベルまで達成し、フォトニック素子の作製、光スイッチングと高効率化・高精度化に関する検討を進めた。【テーマ1】の高性能高分子材料の設計・合成に関する課題では、すでに電気光学特性が150pm/V以上に達している高分子材料を光学性能を高く保持しながら耐久性も付与するため、ハイパーブランチ型の構造改良を進めた。その結果、85℃、500時間の高温・長時間でも電気光学特性の低下が10%以下の高い熱安定性を達成し、従来問題とされてきた有機系電気光学材料の耐久性向上に対する課題を解決した。【テーマ2】の高分子ナノ・マイクロ加工技術に関する課題では、フォトニック結晶構造を応用した新規な光導波路型フォトニック素子を作製することを目的とし、無機・高分子ハイブリット型光デバイスの作製について検討した。特にシリコンと窒化シリコン材料を用いて作製した微細光導波路上へ高性能高分子を組み込こんだ融合型フォトニック素子は、光導波路近傍に発生する電場増強作用によって効率的な光変調デバイスへ応用可能であることを実証した。具体的には本研究で作製したフォトニック素子は光導波路と高分子材料の屈折率コントラストが大きいために、光伝搬実験の結果、高分子の屈折率変化に非常に高感度に応答することを明とした。【テーマ3】の光デバイズ・評価に関する課題では、情報通信用デバイスへの展開を狙い通信波長帯における光導波路型フォトニック素子の光学計測を行った。本光学実験では微細な光導波路フォトニック素子への光導入が光ファイバーを介して導入可能であり、光伝搬損失、位相変化などの光学諸特性を解析することができ、本研究における光学諸特性の高精度解析の実施に応用した。
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