2011 Fiscal Year Annual Research Report
可逆性を有するスパイラルモータを人工筋肉として用いた柔軟で高出力な人間型ロボット
Project/Area Number |
19676003
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
藤本 康孝 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (60313475)
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Keywords | 制御工学 / 電気機器学 / 環境適応ロボット / アクチュエータ |
Research Abstract |
小型軽量であることが要求される自律型ロボットでは、従来、高回転型モータと高減速比ギアを組合せた駆動系が用いられているが、ギアを用いた駆動系ではバックラッシや摩擦などにより高精度な力制御が困難であるという問題がある。本研究では、ギアが不要で推力が大きいダイレクトドライブ式スパイラルモータを動力とした高出力・柔軟人間型ロボットを開発し、広帯域かつ高出力の位置と力の制御を実現することを目的とし、研究を行った。スパイラルモータは、固定子・可動子が螺旋形状をしたモータで、ねじ機構による推力増幅を電磁的に実現する。最終年度である本年度は、実現される位置/力制御の精度・周波数応答特性、力のダイナミックレンジ(最大発生推力/最小発生推力比)等の性能向上に取り組んだ。 具体的には、昨年度までに提案・開発した磁気浮上制御系と上位制御系であるダイレクトドライブ制御系の改良に取り組んだ。螺旋曲面の製作精度を完全に均一にすることは難しく、ギャップ変位の不安定平衡点が変動する。これにより、可動子を固定子の中央に制御したときに浮上電流が残留してしまう。そこで、制御によりギャップ変位を不安定平衡点に移動させるゼロパワー制御のロバスト性・安定性の向上を図り、フルストロークでのダイレクトドライブ制御を実現した。また、長時間連続して安定に駆動できることを実証した。さらに、位置制御系では時定数10msecの応答特性を、センサレスカフィードバック制御系では時定数4msecの応答特性を、オープンループ力制御系では時定数1msecの応答特性を実現した。力センサを用いた力フィードバック制御系では、最小推力0.5Nから最大推力200Nの力制御を実現し、力のダイナミックレンジ52dBを実現した。さらに、スパイラルモータを搭載した閉リンク機構を有する12自由度筋骨格型ヒューマノイドロボットのシミュレータおよび実機を開発した。
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