2008 Fiscal Year Annual Research Report
既存耐震実験施設の有機的連携による防災技術向上策の開発
Project/Area Number |
19676004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 良和 Kyoto University, 防災研究所, 准教授 (10283623)
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Keywords | 鉄筋コンクリート柱 / 三次元振動台実験 / X線CT / ハイブリッドシミュレーション / 動的相互作用 |
Research Abstract |
崩壊挙動を含めた構造部材の非線形動的挙動を評価するための大規模震動台実験に関し,16基の同一鉄筋コンクリート柱群による試験体計画を決定した.その基本となる鉄筋コンクリート柱1基を対象として中型震動台による三次元震動実験を実施し,動的応答特性に関する基礎的データを収集した.また世界最大の震動台であるE-ディフェンスにおける鉄筋コンクリート柱の実験結果をもとに震動台の地震動再現について検討し,回転を抑制した震動台制御により,16基試験体への動的入力をほぼ同等にすることが可能であることを確認した.解析的研究として,材料のばらつきを考慮した鉄筋コンクリート柱の地震応答解析に関する基礎的検討を実施した. 材料試験レベルの小型試験体の破壊挙動を内部情報を観測しながら実施するため,X線CT装置によるコンクリート試験体の内部構成情報抽出に関する検討を実施した.これより破壊することなく骨材や空隙などの内部情報を三次元的に把握することが可能となった. 異なる物理現象を対象とした異種の実験手法を組み合わせるハイブリッド実験手法の構築に向け,遠心力場におけるハイブリッド実験について検討し,遠心載荷装置を用いた構造物-基礎-地盤系のハイブリッド実験および震動台実験を実施することにより,遠心場ハイブリッド実験が動的相互作用問題に対する有力な実験手法であることを確認した.特に相似則に対する検討により,遠心場における実験と1G場におけるハイブリッド実験を組み合わせた実験が可能であることが明らかとなり,マルチスケール・マルチフィジクスハイブリッド実験の実現に向けた理論的背景の一つを整備した.
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