Research Abstract |
本年度は,平成22年度に実施したRC柱-杭基礎-地盤-体大型模型の振動台実験に対し,共通構造システムを部分模型群に分け,大学所有の遠心力載荷装置における基礎-地盤系超小型模型のアクチュエータ載荷実験および上部構造を1G場におけるアクチュエータ載荷実験を組み合わす分散マルチスケールハイブリッド実験に対する検討を行った.昨年度,遠心場載荷実験装置が故障したことにより,数値解析的検討を昨年度より継続して実施ており,分散ハイブリッド実験における基礎-地盤系超小型模型の載荷における問題点等を明らかとした.特に,地盤変形をせん断土槽外部から載荷することに加え,基礎のロッキング応答をも再現することが,大型実験模型を再現することに重要であることが明らかとなり,大幅なシステム更新が必要となる.そのため,本研究では分散マルチスケールハイブリッド実験を実施する上で必要となるソフトウェア構築を完成させ,実際の実験実施に際して重要なハードウェア構成に対する整理を行った. また,大型模型振動台実験に対し,構造物固有周期(Ts)と地盤固有周期(Tg)を様々に変化させた数値解析を行うことで,構造物が非線形化する際の,動的相互作用効果が構造物及び杭基礎に与える影響について考察した.その結果,動的相互作用効果を考える際には,TsとTgの大小関係だけでなく,入力波の周期成分を考慮することが重要であることを確認した.また,構造物が非線形化することによって,構造物慣性力は頭打ちし,構造物慣性力の最大値となる時間が長くなるため,構造物慣性力と地盤変位の最大値が同時に杭に作用する可能性が非常に高くなることなどが確認された. 研究最終年度にあたり,本研究で得られた成果を取りまとめ,規模の異なる実験プロジェクトを有機的に連携される方法について整理した.
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