2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Creation of hybrid energy materials with highly ordered nano-structure
Project/Area Number |
19676005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Energy engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
YOSHIDA Yutaka Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20314049)
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Project Period (FY) |
2007 – 2011
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Keywords | エネルギー効率利用 / 電気電子材料 / 結晶成長 / 薄膜物性 / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
エネルギー材料として期待される熱電変換材料や超伝導材料などの機能性材料の高性能化のため、薄膜結晶成長技術や新規ナノ制御技術を駆使した新規な薄膜成長プロセス、微細な組織を創生する組成や組織の制御、薄膜特有の結晶成長、膜積層技術などをナノ技術、界面制御技術などの観点から融合することによる、次元性の異なる機能を生成するための知見を得る。 酸化物系機能性材料は、基板上にc軸配向した薄膜を作製することでab面方向の電気伝導性が飛躍的に向上すると考え、結晶性が良好なc軸配向薄膜の作製を行う。薄膜作製方法として、物理気相蒸着法の一種であるパルスレーザ蒸着法(PLD)を用いて作製する。ナノ組織技術の構築は、本来の目的の減少を最小限に抑えるために、ナノ(究極に小さく、しかも均一に分散)技術の確立が、必要である。例えば、超伝導分野に必要な磁場とは、ナノサイズに分散した磁束線の制御であり、熱電分野では熱、すなわちフォノンの制御であることから、ナノ組織や組成の制御が重要である。さらに低温成膜法(LTG法)やVapor-Liquid-Solid法(VLS法)などの界面制御技術の構築は、新たな性能を生み出すだけでなく、一般的な気相膜に比べ、結晶粒界が少ない単結晶材料に近い膜を基板上に簡単に作製することができる。それらを比較することにより、物性面からナノ組織を制御する指針が得られると期待される。 「超伝導や熱電変換などの機能性薄膜」の高性能化のため、以下の方法で磁束線やフォノンの制御技術を確立することを目的とし、エネルギー応用に向けて界面制御技術とナノ組織制御技術の融合を用いたハイブリッド材料薄膜の技術開発を構築するとともに、微細組織観察などから結晶成長メカニズムの解明などを検討する。 超伝導薄膜では、界面制御手法および組織制御を用いて作製技術を構築する。界面制御技術は、PLD法、Layer by Layer法(積層法)などの成膜方法以外にLTG法やVLS法などを用いる。さらにナノ組織制御は様々な方法を用いて検討したが、例えばナノ陽イオン組成制御(Sm元素過剰相(低Tc相、BaZrO3(BZO)ナノロッド、BZOナノアイランドなど)、ナノ欠陥、転移制御、ナノ陰イオン組成制御(低酸素相など)などを行う。 一方、熱電変換では高品質な熱電薄膜を作製した上で更なる熱電特性の向上を目指すために、熱伝導率の低減が求められる。フォノン熱伝導率の低減には、欠陥の導入により格子振動を乱すことが有効であると考えられるが、同時にキャリアの伝導を妨げないことも重要となってくる。つまり、適切な大きさ・間隔を持ったナノサイズの欠陥を熱電変換材料内部に導入することで、フォノンの熱伝導率のみを低減させることが可能であると考えられる。
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Research Products
(5 results)