2007 Fiscal Year Annual Research Report
CLEペプチドをモデルとした植物モルフォゲンの進化と作用機構に関する研究
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19677001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤 進一郎 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (00315748)
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Keywords | シロイヌナズナ / CLV / 分裂組織 / CLE / ペプチド / 細胞間シグナリング / モルフォゲン / 進化 |
Research Abstract |
多細胞生物においてはヒトを含めた高等動物だけではなく植物でさえも確実に各細胞間で情報のやりとりを行っていて個体としての統一性を保っている。それでは、どのようにして各細胞は細胞自身の位置情報や環境、発生プログラムを認識して自分自身を分化させ、複雑な"個体"を形作っているのであろうか。私たちは、ヒャクニチソウの単離葉肉細胞を用いた液体培養系において、葉肉細胞から道管細胞への分化転換を誘導する培養系を実験系として利用している。その培地成分には、道管細胞への分化誘導因子(xylogen)とともに、分化抑制因子(TDIF)が存在することが予想され、その精製・同定を行った。その結果、TDIFが12アミノ酸からなるペプチドであり、植物ゲノムに保存されているCLEドメインの一部であったことが明らかになった。 一方、CLEドメインを持つ細胞間情報伝達因子として予想されていたCLV3は、その構造は未知であるが、植物の茎頂分裂組織の構築に機能することが明らかとなっていた。そこで、CLV3ペプチドがやはり12アミノ酸の構造を持つのか否か、合成ペプチドを利用した解析等によりその構造を推定した。この12アミノ酸の合成ペプチドは植物に添加すると、CLV3遺伝子の過剰発現時と同様の表現型を示す上、受容体CLV1及びCLV2機能欠損株には効果を示さなかったことなどから、合成ペプチドもin vivoで機能的であることが示唆された。
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