2008 Fiscal Year Annual Research Report
色素幹細胞の質的変化に着目した白髪発症機序の解明と老化解明へのアプローチ
Project/Area Number |
19679006
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西村 栄美 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (70396331)
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Keywords | 幹細胞 / 色素幹細胞 / 老化 / 白髪 / 分化 / 色素細胞 / 毛包 / 加齢 |
Research Abstract |
白髪は、最も目立つ老化現象であるが、そのメカニズムについては殆ど明らかではなかった。組織幹細胞や前駆細胞として知られる細胞集団において、加齢に伴ってみられる量的質的な変化が指摘されているが、その変化についてはよくは分っておらず、幹細胞の老化過程はこれまで視覚的に捉えられてはいなかった。我々は、マウスの色素幹細胞を毛包内バルジ領域に同定、可視化することに成功し、加齢マウス、および異なる年齢層から採取したヒト毛包を用いて解析したところ、加齢に伴いニッチにおいて色素幹細胞が量的質的に変化し維持されなくなることが観察された。そこで加齢に伴ってみられる色素幹細胞の質的な変化とはどういったものであるのか詳細に解析した。 加齢で認めたのと同様に、放射線照射等のゲノム損傷ストレスによっても色素幹細胞はニッチにおいてしばしば異所性にメラニン顆粒をもった成熟した細胞形態をとること、またこの異所性の分化過程は、メラノサイトのマスター転写因子であるMitfの活性化とその下流の通常の分化プログラムを介してメラニン合成に関わる分子群の発現を伴って起こることが判明した。電子顕微鏡にても幹細胞の形態を観察したところ初期のメラノソームから成熟したメラノソームまで観察されたことから色素細胞内で分化が誘導されていることが明らかになった。一定レベル以上のゲノム損傷ストレスで細胞老化やアポトーシスが誘発されることが知られるが、白髪誘発線量の照射では検出されなかったことから、一定量以上のゲノム損傷ストレスにて色素幹細胞が主として分化することが示唆された。
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Research Products
(5 results)