2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19680016
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木賀 大介 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (30376587)
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Keywords | タンパク質合成 / 合成生物学 / 試験管内進化 |
Research Abstract |
4種類のヌクレオチドによってDNA、RNAの配列に記された遺伝情報を、20種類のアミノ酸が構成するタンパク質のアミノ酸配列情報に変換する翻訳反応は、生命の営む反応の中でもっとも大切なものの一つである。興味深いことに、この翻訳過程に用いられる遺伝暗号表に20種類のアミノ酸を含めることは、基本的に大腸菌からヒトまで全ての生物に共通している。では、なぜ生命は現在の20種類のアミノ酸を採用したのだろうか?本研究の目的は、現在の生命の根幹をなす遺伝暗号表の起源と進化可能性を、構成的アプローチによる翻訳システムの改変によって20種類よりも少ないアミノ酸のみを含む遺伝暗号表を構築し、さらに、これらを使用した試験管内進化の実験によって追求することにある。このような遺伝暗号表を12種類構築できたことを、電気泳動、質量分析、アミノ酸組成分析によって確認した。酸性、塩基性、疎水性、親水性といったアミノ酸の物性に関わらず本手法が適用可能であることが明らかになった。これは、今後更なるアミノ酸の除去が確実に成功されることを示唆する結果である。また、試験管内進化のターゲットとして3種類のタンパク質を選定し、それぞれについて、アミノ酸の種類を限定したタンパク質に活性があることが確認できた。今後の研究で、より強い活性をもち、かつ、より少ない種類のアミノ酸セットで構成されるタンパク質の創製が達成され、遺伝暗号の期限と進化に関する議論を深めることが期待できる。
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Research Products
(10 results)