2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19680016
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木賀 大介 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (30376587)
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Keywords | 蛋白質 / 進化 / 構成的生物学 / 無細胞翻訳系 / 細胞機能の再構成 |
Research Abstract |
4種類のヌクレオチドによってDNA、RNAの配列に記された遺伝情報を、20種類のアミノ酸が構成するタンパク質のアミノ酸配列情報に変換する翻訳反応は、生命の営む反応の中でもっとも大切なものの一つである。興味深いことに、この翻訳過程に用いられる遺伝暗号表に20種類のアミノ酸を含めることは、基本的に大腸菌からヒトまで全ての生物に共通している。では、なぜ生命は現在の20種類のアミノ酸を採用したのだろうか? 本研究の目的は、現在の生命の根幹をなす遺伝暗号表の起源と進化可能性を、構成的アプローチによる翻訳システムの改変によって20種類よりも少ないアミノ酸のみを含む遺伝暗号表を構築し、さしらに、これらを使用した試験管内進化の実験によって追求することにある。昨年度までに構築したこのような遺伝暗号表を活用して、本年度は、アミノ酸の種類が限定されたタンパク質を作製した。その過程でフローサイトメーターのセルソーティング機能を使用した進化分子工学的手法を用いることにより、アミノ酸の種類が限定されても、野生型以上の活性をもつ変異体が創出できることが分かった。活性としては、蛍光タンパク質の蛍光強度、サイトカインの生理活性などを指標とした。今後の研究で、少ない種類のアミノ酸セットで構成されるタンパク質を組み合わせることにより、少ない種類のアミノ酸セットで構成される生命システムの創製炉達成され、遺伝暗号の起源と進化に関する議論を深めることが期待できる。
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