2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19680019
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
舟本 聡 Doshisha University, 生命医科学部・設置準備室, 准教授 (10345043)
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Keywords | ガンマセクレター / Aβ / PIP2 / プレセニリン |
Research Abstract |
γセクレターゼはアルツハイマー病脳に見られる老人斑の構成成分アミロイドβタンパク質(Aβ)を産生するアスパラギン酸プロテアーゼの一種である。最近、培養細胞においてホスフォイノシチド「PI(4,5)P_2」の上昇がAβ産生を低下させることが報告された。しかし、PI(4,5)P_2が直接γセクレターゼ活性を制御しているか否か不明である。 本研究ではホスフォイノシチドによるγセクレターゼ活性の影響を検討した。その結果、CHAPSO可溶化膜や免疫沈降γセクレターゼにおいて、PI(4,5)P_2の添加により濃度依存的にAβ産生が抑制することを見いだした。さらにPI(4)PやPI(3,4,5)P_3など他のホスフォイノシチド添加でもAβ産生が抑制され、イノシトール環のリン酸基の増加に伴いAβ産生に対する抑制が強くなる傾向が認められた。しかし、PIやIP_3の添加では抑制が見られないことから、Aβ産生抑制にはイノシトール環に脂肪酸部分が結合していることが必要だと考えられる。また、PI(4,5)P_2はCHAPSO不溶性のγセクレターゼ活性も抑制することが分かり、ホスフォイノシチドによる抑制効果は脂質に囲まれたγセクレターゼにも及ぶことが示された。 ホスフォイノシチドによるγセクレターゼ活性抑制機構を検討するために、CHAPSO可溶化膜中において基質C99-FLAGとγセクレターゼの共免疫沈降実験をPI(4,5)P_2存在下・非存在下で行った。その結果、PI(4,5)P_2存在下ではC99-FLAGと共沈するPresenilin,Nicastrin,Aph-1がそれぞれ減少した。さらにPI(4,5)P_2存在下で反応速度を求め、二重逆数プロットをとると競合阻害の阻害形式を示した。以上のことからPI(4,5)P_2はγセクレターゼと基質C99-FLAGの相互作用を阻止し酵素活性を抑制することがわかった。
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