2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19680019
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
舟本 聡 Doshisha University, 生命医科学部, 准教授 (10345043)
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Keywords | ガンマセクレターゼ / Ass / PIP2 / プレセニリン / ホスフォイノシチド |
Research Abstract |
ガンマセクレターゼはアルツハイマー病脳に見られる老人斑の構成成分アミロイドβタンパク質てAB)を産生するアスパラギン酸プロテアーゼの一種である。昨年度本研究ではボスフォイノシチド[PI(3)P, PI(4)P, PI(5)P, PI(3, 4)P_2, PI(4, 5)P_2, PI(3, 4, 5)P_3]が直接的に粗精製ガンマセクレターゼに働きかけてAB産生を低下させることを見いだした。この結果はアルツハイマー病治療・予防に応用できる可能性があるが、他の分子の切断にも抑制効果があると甚大な副作用を引き起こしかねない。したがって、ss-Amyloid precursor protein(APP)以外のタンパク質としてNotch受容体の切断について検討した。Notch受容体もAPPと同様に細胞外ドメインの切断後にガンマセクレターゼの基質となることが知られているため、ガンマセクレターゼの直接的な基質となる短縮型のNotch受容体断片(N末端とC末端の短縮型、ΔE Notch-FLAG)を調整した。ΔE Notch-FLAGがガンマセクレターゼによる切断で短縮型の細胞質ドメイン(sNICD-FLAG)に変換されることを確認後、ボスフォイノシチド存在下で再びsNICD-FLAG産生について評価した。その結果、APPの場合と同様にNotchもホスフォイノシチド添加によりガンマセクレターゼによる切断が抑制されることがわかった。したがって、ホスフォイシチドを利用した創薬について基質特異性について非常に考慮する必要があることを示した。また、ホスフォイノシチド特異的PLC抑制剤Edelfosineを細胞に添加すると、PI(4, 5)P2の産生を抑え分泌Ass量を減少させた。以上のことから生体でボスフォイノシチド濃度がガンマセクレターゼ活性を制御していることを示唆した。
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