2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19680019
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
舟本 聡 Doshisha University, 生命医科学部, 准教授 (10345043)
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Keywords | ガンマセクレターゼ / Aβ / プレセニリン / PIP2 |
Research Abstract |
生細胞におけるホスプォイノシチドのγセクレターゼに対する影響を検討するために、細胞にPIP2の導入を試みた。PIP2のキャリアにはヒストンタンパク質を用いたが、導入に適切な条件を見いだすには至らなかった。この手法によりγセクレターゼ活性を評価するのは困難と判断した。 一方、γセクレターゼ活性測定系を利用して、γセクレターゼ活性を20倍ほど上昇させるpresenilin 1/2二重欠損マウス胎生線維芽細胞由来のフラクションを得た。このフラクションに熱変性やProteinase K処理を施すと、γセクレターゼ活性が低下することがわかった。このことは生体膜にγセクレターゼ活性を正に制御するタンパク質性の因子があることを示している。しかし、このフラクションを高濃度でγセクレターゼに添加すると、興味深いことに逆に酵素活性を低下することもわかった。γセクレターゼ活性を正または負に制御する分子が存在すると考え、これの探索を試みた。LC-MS/MSによりこのフラクションに含まれるすべてのタンパク質を同定したところ、γセクレターゼ活性と存在量が正に相関する4種類の膜タンパク質を得た。APPを過剰発現するCHOとHEK293において、これらのタンパク質の発現を抑制するためにsiRNA処理を施すと、邸産生に顕著な差が見られなかった。しかし、上記細胞においてこれらの内在性のタンパク質も検出には至らなかった。一方、これら4種を上記細胞に過剰発現させると、二つのタンパク質種において顕著な邸産生の阻害が見られた。上述のようにγセクレターゼ活性測定系にγセクレターゼ活性化フラクションを高濃度で添加すると、逆に酵素活性が抑えられたことから、この2種類のタンパク質が活性調製に関与していると考えられる。
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