2009 Fiscal Year Annual Research Report
TFTアクティブマトリクス人工腎臓開発のための基盤研究
Project/Area Number |
19680022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒木 伸一郎 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (70400281)
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Keywords | ナノバイオ / マイクロ・ナノデバイス / 薄膜トランジスタ / マイクロアレイ / 人工腎臓 / TFT |
Research Abstract |
本研究ではTFTアクティブマトリクス・アレイにマイクロチャネルを積層し、そこにイオン溶液を導入、TFTアクティブマトリクスを通してマイクロチャネルに電圧印加を行うことにより細胞やイオンの分離・輸送を行う。平成20年度は本研究の基本ブロックである血球細胞電界トラップの研究を行い、これを開発した。微小流路中に非対称電極をアレイ状に配置し、これに順次交流電圧を印加し、流路中の擬似血球細胞(マイクロビーズ)の分離・輸送を行い、特に非対称電極を対にし、相対する電極に位相を180°ずらして交流電圧を印加し、相対する電極間に非対称な電界分布をつくることで、誘電泳動による擬似血球細胞の分離・輸送を行った。平成21年度はこれを発展させ、TFTアクティブマトリクス上にマイクロ流路を形成し、流路中を自由に血球細胞の操作可能なデバイスを試作した。TFTアクティブマトリクス上に、マイクロ流路を形成し、自由に血球細胞を操作するには、1次元的な流路に加えて、十字路型の流路において直線的な操作に加え、左右に操作をする必要がある。このために十字路型流路のための最適な電極配置を示した。TFTアクティブマトリクスは、最下層のTFTのアクティブ層に、二層の配線層を形成し(一層あたりビア層とワイヤ層からなる)、最上層にチタンと白金からなる電極層を形成し、作製を行った。この白金層が流路に露出しており、流路中液体への電圧印加を行う。また誘電泳動による擬似細胞の分離・輸送の輸送確率を上げるために、電圧印加シークエンスの検討を行った。本デバイスに実際に血液を導入する場合、電極や流路への血球細胞の付着や、アルブミン等タンパク質の吸着が問題になる。これを抑止するために、表面処理技術の検討を行った。
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Research Products
(6 results)