2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19680028
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
永岡 隆 Shizuoka Cancer Center Research Institute, 診断技術開発研究部, 研究員 (00367054)
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Keywords | 検査・診断システム / ハイパースペクトラルイメージング |
Research Abstract |
本研究課題は,各種皮膚腫瘍の二次元分光法による非侵襲病態診断装置を開発し,臨床経験を通して装置ならびに病態把握に必要な定量的数値の抽出法改良を経て,平成19-20年度の間に順次実用化を進めることを目標としている。本研究課題で開発する装置は,二次元位置情報と各点の可視一近赤外波長領域スペクトル情報を迅速に測定,それらから酸化/還元ヘモグロビンなどの化学物質の量を新しく開発する手法により定量化し,病態部位を画像化するものである。当該分野は現在HyperspectralImagingと呼ばれている。国内外の多くの研究者が当該領域に携わっているが,当該研究はその中でも対象領域を高速に計測できる点と近赤外領域をターゲットとしている点が特色である。昨年度までに計測可能な患部や機能が異なる,臨床での検査が可能な試作機を3台完成。倫理審査委員会の審査を経て,本年度より臨床での検査を開始している。本年度は引き続き装置の拡大率の変更並びに偏光計測機能等の追加や,皮膚腫瘍や皮膚毛細血管のみを抽出することが可能な波長域の選別を推進する。特に高齢者の患者様を対象に計測する場合,一定時間以上体動を抑えることは非常に困難であるため,計測結果に体動に起因する画像のズレが生じてしまうことがこれまでの計測によって判明した。昨年度までに直前のフレームとの相関を計算することで画像のスキャン方向に対する体動をある程度補正することが可能となるアルゴリズムを開発。本年度はこれまでに開発してきたパイパースペクトルカメラに対し,患部ターゲット用モニタカメラの画像を制御用PCに取り込む機能を追加し,全方向の体動を補正することが可能となるアルゴリズムの開発を目指す。またメラノーマをはじめとした皮膚腫瘍の臨床データの蓄積を一層推進し,その良性・悪性の判断や,悪性度の判断などを,反射スペクトルから推定する手法の確立を目指す。
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