2009 Fiscal Year Annual Research Report
サッカーのボールコントロール技術に関する総合的なバイオメカニクス研究
Project/Area Number |
19680029
|
Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
川本 竜史 Daito Bunka University, スポーツ・健康科学部, 准教授 (90317305)
|
Keywords | サッカー / スキル / バイオメカニクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまで学術論文としての公表が皆無に近い、サッカーにおける「巧み」なボールコントロール技術に関する総合的なバイオメカニクス研究を行い、この成果を学術分野ならびに指導現場において幅広く公表することであった。本研究では、ドリブル、ヘディング、トラップ、フェイントなどサッカーにおける様々な技術を対象としたバイオメカニクス研究を行った。ヘディングに関しては、両脚および片脚での踏み切りによるジャンプヘッドの動作分析を行い、最高到達点の相違の要因を検証した。浮き球のトラップに関しては、サッカー熟練者ではボールと足との接触時間を延長することを通じて、衝撃を緩衝していることが分かった。フェイントに関する研究では、フェイント所要時間はサッカー経験年数にともなって短縮することや、フェイント所要時間がフェイント動作中の身体重心の振幅(特に水平方向)ときわめて強く関連すること、身体重心変動を避ける上での運動学的要点などが分かった。スムースな身体重心移動が巧みなフェイント動作の要点であることは、指導の現場では経験的には指摘されていたものの、本研究結果はこの仮説をはじめて裏付ける貴重な客観的資料であるといえる。なお、本研究成果は平成20年度に国内の関連学会において公表した。さらに、サッカーのスキルに関する総合的な研究の一環として、キック動作の左右対称性を運動力学的観点から検討する研究も行った。本研究の結果から、サッカーのインサイドキック動作は、運動力学的にみるとサッカー経験の有無を問わず左右できわめて類似することが分かった。本研究の成果は、平成21年度に国際学会の査読論文として受理され、書籍として公表された。
|