2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19680031
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
水品 善之 Kobe Gakuin University, 栄養学部, 准教授 (20307705)
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Keywords | 栄養素 / 食品成分 / DNA合成酵素阻害活性 / 抗酸化活性 / 抗炎症活性 / 新規健康機能性食品開発 / ビタミン / クルクミン |
Research Abstract |
(1)栄養素・食品成分のDNA合成酵素(DNAポリメラーゼ,pol)阻害活性の探索 試薬として市販されている栄養素(ビタミン類、脂質類、糖質類、アミノ酸・タンパク質類)や食品成分(カロテノイド類、フラボノイド類、クロロフィル類など)を各種購入した。そして、in vitroにおける哺乳類polの各分子種に対する阻害活性を調査した。得られた結果の主なものは次のとおりである。【Mizushina et al.(2007)Curr. Enzyme Inhibition】 ・ビタミンAとその誘導体:レチノールはpolを阻害しなかったが、レチナールとレチノイン酸は全てのpol分子種を阻害した。 ・ビタミンB_6とその誘導体:pyridoxal(PL)、pyridoxine(PN)、pyridoxamine(PM)はpolを阻害しなかったが、pyridoxal 5'-phosphate(PLP)はpolαとpolεを選択的に阻害した。 ・ビタミンDとその誘導体:ビタミンD_2とビタミンD_3はpolαを選択的に阻害したが、プロビタミンD_2、プロビタミンD_3、活性型ビタミンD_3はpolを阻害しなかった。またビタミンD3硫酸(vitaminD_3-3β-sulfate)は全てのpol分子種を阻害した。 ・ビタミンEとその誘導体:α-〜δ-の4分子種のトコフェロールはpolを阻害しなかったが、α-〜δ-の4分子種のトコトリエノールはpolλを選択的に阻害した。 ・ビタミンK:ビタミンK_1とビタミンK_2はpolを阻害しなかったが、ビタミンK_3はpolγを選択的に阻害した。 ・クルクミン:クルクミンはpolλを選択的に阻害した。 (2)pol阻害活性と抗酸化活性と抗炎症活性の相関性 クルクミンから13種類の誘導体を有機化学合成して、哺乳類pol阻害活性・DPPH法による抗酸化活性・マウス耳を用いたTPAを起炎剤とする抗炎症活性の相関を調査した。その結果、polλ阻害活性と抗炎症活性に正の相関が見られたが、その他のpol分子種阻害活性・抗酸化活性・抗炎症活性には、相関が全く見られなかった。【Mizushina et al.(2007)Curr. Bioactive Compounds】 平成19年度は学術論文を38報発表し、学会発表を25回行った。
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