2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジア各国の環境条件を反映した製品ライフサイクル環境影響評価手法の開発
Project/Area Number |
19681003
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊坪 徳宏 東京都市大学, 環境情報学部, 准教授 (90344150)
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Keywords | ライフサイクル影響評価 / LCA / アジア / 運命分析 / 被害評価 / 統合化 |
Research Abstract |
本研究では、我が国で開発されたLCIA手法を基礎としつつ、海外での環境負荷による環境影響を適切に評価できるアジア版のLCIA手法を開発し、その有用性について事例研究を通じて検証することを目標とした。最終年度である今年度は、アジア各国における環境影響を予測するための手法として、都市域大気汚染、酸性化、人間毒性、生態毒性を対象として、被害係数の開発を行うとともに、これらを用いたケーススタディを行った。 具体的には、以下の事項について研究開発を行った。 (1)アジア各国におけるLCIA用評価係数を算定するための評価係数算定プログラムの開発 (2)評価係数算定プログラム用の各国パラメータの収集 (3)評価係数算定プログラムを利用した計算の実施と評価係数リストの作成 (4)ケーススタディの実施と評価係数リストの検証 四ヵ年の研究を通じて、日本国内で既に普及段階に入っているLIMEをアジア各国の環境条件に対応するように修正した。発生地点から広域に分布することで影響を与える酸性化や大気汚染は、周囲を外洋で囲まれる日本に比べ、大陸で発生した場合大きくなる傾向があり、最大10倍程度になることがあることがわかった。ここで得た成果を家電製品を対象とした事例研究に適用することで、アジア各国の環境条件を反映した妥当性の高い計算結果を得ることができた。これにより、国産品のLCAの信頼性を向上させるとともに、アジア各国におけるLCIA普及と国際的イニシアティブの確保につながるものと期待される。
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