2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19681004
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西 良太郎 Kobe University, バイオシグナル研究センター, 助教 (80446525)
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Keywords | DNA修復 / 細胞周期 / ヌクレオチド除去修復 |
Research Abstract |
細胞は環境中に存在する損傷原に対し、多様なDNA修復機構を機能させることによりその遺伝情報を安定に維持している。それらDNA修復機構の中でも広範な基質特異性を特徴とするヌクレオチド除去修復は重要な機構の一つである。他方、細胞はDNA損傷の修復が完了するまで細胞周期の進行を停止させるチェックポイントと呼ばれる機構を備えている。これらの機構は緊密に機能していると考えられるにも関わらず、両者をつなぐ分子機構は明らかではない。そこで本研究では、現在までにヌクレオチド修復機構に関与する因子であり、かつ中心体複製に必須のタンパク質として知られるcentrin 2に着目し、その機能を詳細に解析した。構造解析による情報に基づきcentrin 2のアミノ末端あるいはカルボキシル末端ドメインのヌクレオチド除去修復における機能をin nivo及びin vitroにおいて解析した。その結果、ヌクレオチド除去修復機構に関わるcentrin 2の機能の発揮にはカルボキシル末端ドメインのみで十分であることが示された。即ち、DNA損傷認識因子であるXPCタンパク質の損傷DNAへの結合能及びin vitroヌクレオチド除去修復活性はcentrin 2のカルボキシル末端ドメインにより全長centrin 2タンパク質と同程度に促進されることが明らかとなった。ところが、いずれのin vitro反応系においてもcentrin 2のアミノ末端ドメインは顕著な効果を示さず、中心体複製あるいはin vivo特異的にヌクレオチド除去修復に機能を果たしていることが示唆された。 その一方で様々なDNA修復機構に欠損を示す細胞群を用いて、紫外線照射により挙動の変化を示す因子のスクリーニングを行っている。
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Research Products
(2 results)