2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19681004
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西 良太郎 Kobe University, 自然科学系先端融合研究環バイオシグナル研究センター, 助教 (80446525)
|
Keywords | DNA修復 / 細胞周期 / ヌクレオチド除去修復 / 中心体 |
Research Abstract |
生物はゲノムDNAの安定な維持のために多様なDNA修復機構を有しているが、中でもヌクレオチド除去修復機構(NER)は広範な基質特異性を特徴とするDNA修復機構である。NERにおいて損傷認識因子として機能するXPCは中心体蛋白質としても知られるcentrin 2と安定な複合体を形成している。本研究では、NERと細胞周期の関連を明らかにするために、NERにおけるcentrin 2の詳細なドメイン解析を行った。これまでにcentrin 2は結晶構造解析の結果から、アミノ末端ドメイン及びカルボキシル末端ドメインの2つのドメインから構成されることが明らかになっている。また、我々は昨年度までにXPCとの結合及び、NER反応にはcentirin 2のC末端ドメインで十分であることを明らかにして来た。本年度はさらに、詳細な解析を以下の点について行った。Centrin 2は中心体及び核内に局在することが知られているが、欠失変異体及び点変異体を用いた解析から、centrin 2が安定に核内に局在するためにはXPCとの結合が必須であることが示唆された。さらに、精製蛋白質を用いた解析からcentrin 2はそのアミノ末端ドメインを介してNERにおけるもう一つの損傷認識因子であるDDB2と相互作用することを見出した。また、XPCは細胞への紫外線照射に応答してDDB2を含むユビキチンリガーゼによりユビキチン化を受けることが知られているが、centrin 2との結合を欠失した変異XPCではそのユビキチン化が減弱していた。さらに、XPCとの結合を欠いた変異centrin 2の過剰発現下では内在性のXPCの紫外線照射に応じたユビキチン化も阻害されることが見出された。これらのことからcentrin 2はこれまでに明らかにされたXPCの損傷DNA結合活性の促進だけでなく、in vivoにおいてXPCのユビキチン化の制御をDDB2との相互作用を介して行っている可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)