2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温接触酸化型屎尿処理と硫黄脱窒を組み合わせた循環プロセスによる半乾燥地土壌改良
Project/Area Number |
19681007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗栖 聖 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 講師 (00323519)
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Keywords | バイオマス / 住民意識 / LCA / 稲籾殻 |
Research Abstract |
本研究では、途上国における複合的な環境問題の解決に資する循環型システムの提案を研究目的とし、本年度は、主に途上国における稲籾殻等のバイオマス循環利用の効果を算定するとともに、環境改善施策の住民受容性を把握するための手法構築を行った。 バイオマスとしては、稲籾殻を対象とし、その利用技術シナリオとして、伝統的な直接燃焼による家庭利用、燃焼による発電、ガス化発電、バイオ燃料化を取り上げ、それぞれのシナリオにおける二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物排出量を、ライフサイクルアセスメントにより算定し、シナリオ評価を行った。また地域での実現可能性を検討するため、ライフサイクルコストの算定を実施すると同時に、地域の様々なステークホルダーの受容性を、AHP(階層分析法)の手法を適用し、調査した。その結果、地域住民と、地方政府との選好が、相反していることが定量的に明らかとなり、新しい技術導入の際の合意形成において地域住民の理解を得ることの難しさと議論の必要性を明らかとした。 また、このような住民受容性を把握する手法として、従来型の住民をひとまとまりとして扱う手法に加えて、潜在クラス分析を適用し、住民をその志向ごとにグループ分けし、グループごとの特徴を把握し、その特徴に応じた施策提案を行う手法を、主に日本を対象として、検討した。グループ化においては、個人属性などの情報に加えて、対象となる環境問題への個人の意識が有効であることを明らかとし、各グループの選好の違いを、限界支払意志額によって示す手法の、環境施策への適用が有効であることを示した。
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