2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブロックコポリマー薄膜による電気化学ナノ反応場~一軸配向ナノシリンダーアレイ~
Project/Area Number |
19681011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 香織 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 助教 (00361791)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 自己組織化 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
我々は、ミクロ相分離に液晶分子秩序を組み入れた両親媒性液晶ブロックコポリマーを開発し、この薄膜ミクロ相分離構造が極めて高い規則性と配向性を示すことを見出し、ドメインの親水性・疎水性コントラストに基づく様々な材料へのナノ構造転写プロセスを開発している。 本公募研究では、ナノ規則構造の高密度化によって飛躍的な高機能化が期待される冷陰極アレイ、情報記録メディア、ナノ電極あるいは光触媒の基本部材開発をめざし、この高分子ナノ構造をテンプレートとする金属または金属酸化物のナノ構造転写・複合化プロセスを開発してきた。 (1) 鉛ナノロッドアレイの作製:鉛の超電導状態の磁場進入長は数十ナノメートルと知られているがこの鉛ロッドアレイは2Kまで正の磁化を示した。 (2) 酸化チタンナノワイヤの作製:酸化チタンナノ粒子が"数珠"状に連なったワイヤが絡み合った構造が基板全面に観察された。今後、焼成工程の温度プログラムと雰囲気制御の最適化を行うことで、テンプレート構造を反映した垂直配向した酸化チタンナノロッドアレイの作製が期待され、比表面積の大きな光触媒や色素増感太陽電池の高効率電極への応用が期待される。 以上、両親媒性液晶ブロックコポリマーの特異なミクロ相分離構造、垂直配向ナノシリンダーアレイ構造をテンプレートとする転写複合化プロセスを開発し、材料適用範囲の広い金属および金属酸化物のナノ規則構造の作製に成功した。
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Research Products
(3 results)