2008 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ-酸化物複合化センサのNO_2検知機構の解明
Project/Area Number |
19681012
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
橋新 剛 Ritsumeikan University, 生命科学部, 助教 (20336184)
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Keywords | CNT-酸化物センサ / NO_2吸着 / P-n接合 / 空間電荷層 |
Research Abstract |
マイクロギャップAu電極にMWCNT(多層カーボンナノチューブ : 以降MWNTと略記)を直接成長させ、ガス吸着材としての酸化物(WO3, SnO2)をMWNT表面上に点在させたMWN下酸化物複合化センサを作製し、p型であるMWNTとn型である酸化物の表面でのNO2との相互作用を明らかにすることで、MWNT-酸化物複合化センサのNO_2検知メカニズム解明を試みた。0.1 wt% WO_3をMWNT外壁に担持することでWO_3-MWNT複合体全体にp-n接合(厚い空間電荷層)が形成され、NO_2吸着に有利であることがわかった。WO_3のMWNTへの内包には成功しなかったため、WO_3に次いでNO_2吸着能に優れるSnO_2を内包ターゲットとした。SnO_2のMWNT内部への導入には塩化スズ(II)水溶液を用いた。まずはMWNTを硝酸処理により開口させ、毛細管現象を利用して0.1wt%塩化スズ水溶液をMWNT内部へ導入した。次に、熱処理(空気中、アルゴン中)によりSnO_2をMWNT内外に担持させた。SnO_2内包MWNTではSnO_2がMWNT内外に析出した複合体に比べ、NO_2に対する吸着量が大幅に増加した。これは、MWNTに内包されているSnO_2との接触界面(p-n接合界面)を起点として空間電荷層がMWNT外壁にまで及んだことに起因する。SnO_2がMWNT内外に析出している場合は、MWNT外壁のSnO_2が他のSnO_2-MWNT複合体と接触することにより、SnO_2同士の導電パスが形成されて抵抗増加を示し、MWNTのp型としての抵抗変化率が一部相殺されたと考えられる。申請のコアである全環境制御型走査トンネル顕微鏡を用いた電子密度計測による空間電荷層の観察は成功していないので今後の課題としたい。
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Research Products
(12 results)