2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁性薄膜でのレーザー光電子による偏光可変・多光子磁気円二色性と光電子顕微鏡の研究
Project/Area Number |
19681013
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
中川 剛志 Institute for Molecular Science, 物質分子科学研究領域, 助教 (80353431)
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Keywords | 光電子放出 / 磁気円二色性 / 表面磁性 / 超高速分光 / ナノ磁性 |
Research Abstract |
本年度は1)二光子光電子による磁気円二色性(MCD)の研究、2)二光子MCDによる光電子顕微鏡(PEEM)の観測を行った。 1) 二光子MCDではCu(001)上に成長させたNi薄膜(12層)でMCD非対称性の仕事関数依存性を測定した。仕事関数はCsを蒸着して、変更した。二光子MCDは光電子閾値付近で高くなる。仕事関数を更に低くするとMCDはゼロへと近づき、符号が反転する。これは1光子MCDの結果とよく似ている。この研究で2光子MCDが発生することを世界で初めて実証した。 2) 二光子MCDを利用したPEEM測定。 1)の実験で2光子MCDが得られることがわかったので、同じ条件でPEEM測定をした。ここでは二光子MCD-PEEM像が得られ、1%程度のMCDであった。磁区ははっきりと観測できた。しかし、強いレーザーを入射したため、散乱効果が強く現れ、MCDによる磁気ドメイン観測と重なって表れた。より清浄で均一な表面を作成すれば、散乱の問題はなくなると考えている。
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