2007 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルアース時代に対応した津波被災地認定技術の開発と認定結果公開手法の検討
Project/Area Number |
19681019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
越村 俊一 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50360847)
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Keywords | 津波災害 / リモートセンシング / GIS / 画像解析 |
Research Abstract |
津波被害把握のための情報として高解像度衛星画像に着目し,津波被災前後の画像から建物被害を抽出し,津波被害把握における衛星画像の利用可能性について検討した. まず,2007年4月に発生したソロモン諸島地震津波災害を対象として,津波数値解析と人口統計データ(LandScan)を統合したGIS分析により,津波被災地となり得る地域を特定した.その結果,2007年ソロモン諸島沖地震津波の被災地となり得る地域は,Ghizo島とChoiseul島南岸であることが判明した. この結果に基づき,Ghizo島を撮影した津波被災前後の高解像度衛星画像(QuickBird・パンシャープン合成画像)を入手して津波被害を目視判読及び画像処理により抽出した.目視判読では沿岸の建造物が受けた津波被害を破壊程度に応じて5段階で判定し,実際の被害分布とほぼ一致する結果を得た. 次に,可視3バンドと近赤外1バンドからなるQuickBird画像から正規化植生指標(NDVI)を算出し,植生活性度の差異から浸水域を抽出した.目視で明瞭に確認できた津波遡上域境界上にある100地点のNDVI値を教師データとして,教師付き分類により浸水域を抽出することにより,津波浸水域を良好な精度で推定することができた. 最後に,推定した津波浸水域内の建物被害判読の結果から,Ghizo島における家屋被害関数を求め,津波高と家屋被害の関係を明らかにすることができた.今後は,NDVI値と他の情報(例えば,地盤高など)を組み合わせたより正確な浸水域の抽出を行うことと,高解像度の衛星画像のデータ量に対応し得る新しい画像分類の手法として,オブジェクトベースの画像分類を従来のピクセルベースの画像分類とあわせて実行・比較することである.
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Research Products
(4 results)