2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19681021
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
柳内 和幸 Toho University, 理学部, 准教授 (30360704)
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Keywords | レチノイン酸受容体 / ヒトゲノム / 転写 / 核内受容体 |
Research Abstract |
これまでに、申請者が開発した改良型YIH法を用いて、糖尿病と深く関連する核内受容体型転写因子であるグルココルチコイド受容体(GR)を解析し、ヒトゲノムから約350ヶ所のGR結合配列の同定に成功した。その後申請者が開発した改良型YIH法を様々な転写因子について検討したところ、核内受容体ファミリーに属する転写因子に有効であることがわかってきた。その中でも、レチノイン酸受容体には特に有効であった。 そこで、本研究では、ヒトゲノム内に存在するレチノイン酸受容体結合部位を系統的に同定し、発生・分化・癌化に関わる多彩な生理作用を担うレチノイン酸受容体ネットワークの解明を目的とした。 本年度の研究実施計画としては、改良型YIH法による全ヒトゲノムからのレチノイン酸受容体結合配列の系統的なクローニングの完了と、結合活性の確認であった。本研究では、レチノイン酸の中でも様々な疾病との関連が報告されている9-cisretinoic acidの受容体RXRに注目している。RXRは、動物細胞内では様々な核内受容体とへテロダイマーを形成するため、細胞内でホモダイマーとして結合する場所を同定することは非常に困難である。酵母は核内レセプターを持たないため、我々の改良型YIH法はRXRホモダイマーの結合配列の同定に非常に優れた実験系であり、これを利用して9-cisretinoic acidに応答してRXRのホモダイマーがヒトゲノムに結合する配列を系統的にクローニングした。 これらの配列のヒトゲノム上の位置を決定するとともに、α、β、γによる結合活性や動物細胞内での応答性の比較などを進めるとともに、データベースの構築を進めている。本年度も計画の80%程度が完了し、3年計画としては当初の計画を完了できると考えられる。
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