2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機化学を活用したケミカルゲノミクスプラットフォームの高度化と応用研究
Project/Area Number |
19681023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
叶 直樹 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (40317293)
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Keywords | マイクロアレイ / 有機化学 / ケミカルゲノミクス / 生物活性物質 |
Research Abstract |
第二世代型クリーバブル光親和型リンカーの開発:昨年度までに開発した、ジスルフィド結合をリンカー部に有する第一世代型クリーバブル光親和型リンカーの欠点を補うべく、新たにジスルフィド部周辺に嵩高い置換基を導入した第二世代型クリーバブル光親和型リンカーを作成した。第一世代型リンカーではジスルフィド結合が還元条件に対して不安定であり、このジスルフィドがタンパク質結合アッセイ時に容易に開裂してしまうことが問題となっていたが、今回合成したジスルフィド結合周辺が嵩高い第二世代型リンカーをアフィニティー樹脂に導入してその安定性を調べたところ、本リンカーは動物細胞内の還元状態に匹敵する濃度(10mM)のチオールに対して高い抵抗性を有し、切断を受けないことが明らかとなった。 酵素基質特異性検出アレイの開発:P450の補因子であるNADHを基板上に固定化し、P450の酸化に伴うNADHからNAD+への変換を検出する手法の開発を検討した。NAD+の検出用化合物として、イソシアニド誘導体、イソニアジド(アシルヒドラジン誘導体)、およびメチルフェニルケトン誘導体を検討した結果、NAD+に低温かつ塩基性条件下、メチルフェニルケトンを処理し、続いて酸で処理すると蛍光性のNAD+誘導体が生成することを確認した。また、この生成物はNADHからは得られないことを明らかにした。 一方、固相導入用リンカーを導入したNADH誘導体を合成した。本誘導体を固相に導入し、これがP450の補因子として使えるかどうかを確認したところ、遊離型のNADHと同様にP450の電子伝達系の補因子として利用されることを明らかとした。
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