2009 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア諸地域との太平洋戦争関係歴史記録情報の共有化モデル構築に向けた研究
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19682002
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
前川 佳遠理 National Institute of Japanese Literature, アーカイブズ研究系, 助教 (30413917)
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Keywords | 東南アジア / アジア・太平洋戦争 / 日本占領期 / アーカイブズ学 / 日本軍 / 戦争捕虜 / 軍事史 / 紛争 |
Research Abstract |
最終年度の平成21年度には、主則標2:国内の調査についてはアンート調査がぼ終了しここから、主目標3の補足調査を今後の発展的研究計画のために実行した。前年度オランダ国立公文書館で発見した日本軍の作成した日本軍の捕えた連合軍俘虜銘銘票の原本の調査および、今後の資料の高度活用と公開に向けて、オランダ国立公文書館、オランダ健康・福祉・スポーツ省(厚生省)との協力をおこない、翻訳データベースの公開への先鞭をつけるため6月、10月、および22年2月にオランダを訪問し関係者と協議を行った。また、同様の資料を米国およびロンドンの国立公文書館において発見確認した(いずれも22年2月)。米英蘭に散在する同史料群は、作成した機関が日本の俘虜情報局であることから、主目標4に関連して、手書きおよびタイプの記入データの標準化を行い、データベース作成のための試験的な情報抽出と翻訳を実行した。いずれも言語的障壁のために相互理解が妨げられていた俘虜に関する日本の方針と個人の消息を詳細にあらわすもので、各国の関係者より研究の発展が期待されている。 副目標1の東南アジア占領関係記録資料の利用システムモデルは、これまでの海外の史料群概要調査と個別の史料群調査から、とくにインドネシア、マレーシア、シンガポールに重点をおき(22年2月)、旧宗主国のオランダに残る記録資料とあわせて、オランダ植民地時代の資料保存システムと日本占領期に移行する時期の記録の移動について調査をおこなった。占領地における日本軍の武装解除の前後における連合軍との記録資料の移動の状況は、これまでの研究によってほぼあきらかになってきた。本課題の成果報告は、かなり広域の大幅なものになるため、現段階では報告とデータの標準化にとどめ、平成21年に採択された基盤研究A「旧日本植民地・占領地関係資料ならびに原爆関係資料のアーカイブズ学的研究」(課題番号 21242019 学習院大学:安藤正人教授)の(1)「戦争の記憶と記録」チームにおいて調査を拡大し体系的に公開するものとした。
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Research Products
(2 results)