2007 Fiscal Year Annual Research Report
不妊治療経験者の選択と岐路、その支援:多様な親子関係を築く女性と子どもの語りから
Project/Area Number |
19683005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 裕子 Kyoto University, 教育学研究科, 教務補佐 (20437180)
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Keywords | 不妊 / 人生径路の多様性 / ナラティヴ / 非血縁の親子関係 / 支援 / 質的研究 / 養子縁組 / 発達臨床 |
Research Abstract |
「不妊治療で子どもをもつことができなかったが、養子縁組で子どもをもった」女性とその子どもを対象に、ライフストーリーインタビューを行い、次の目的に研究を行う。 目的1:不妊に悩み、治療を経て養子縁組を選択した女性の発達過程の検討 目的2:非血縁の親子関係を築く過程の検討 目的3:不妊治療過程における、治療終了後の生活を視野に入れた心理社会的支援の検討 平成19年度は、目的1の部分を実施した。 1)インタビューの実施 不妊治療では子どもをもつことができず、その後養子縁組で子どもを育てた経験のある(育てている)タイプの女性10名程度を対象に、インタビューを行った。(イ)乳児期・幼児期の子どもと養子縁組し、小学校に入学するまでの時期の子どもを育てている女性、(ロ)児童期(小学生)の時期の子どもを育てている女性、(ハ)思春期から青年期前期(中学生〜大学生・自立)の時期の子どもを育てている女性、と子どもの発達段階に分けてインタビューを行うことを目標にしていたが、実際には、(イ)のタイプの方が多かった。子どもを受け容れることができた喜びが大きく、思春期の問題や課題が現れる前の時期であることが、そうした結果をもたらしたと考えられる。機会があれば、平成20年度にも女性へのインタビューを行いたい(平成20年度は子どもへのインタビューを予定している)。 2)養子縁組に関わる専門家への研究協力 養子縁組を行っているある機関の援助専門家が、-第三者が関わる不妊治療(非配偶者間の不妊治療)の法制化の動きに伴い、子どもへの告知に関する冊子を作成したが、その研究協力を行った。 3)学会での発表、論文の執筆による研究知見の普及 発達心理学や質的心理学系の学会で研究発表を行い、心理学研究法に関することも含め、関連領域の研究者や現場実践者との意見交換、研究交流をはかった。また、論文を執筆に力を注ぎ、研究知見の学術的・社会的普及に努めた。
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Research Products
(10 results)
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[Book] Cambridge Handbook of Socio-Cultural Psychology (Sampling Reconsidered: Personal histories-in-the-making as cultural constructions.)2007
Author(s)
Sato, T., Yasuda, Y., Kido, A., Arakawa, A., Mizoguchi, H., & Valsiner, J.
Total Pages
25
Publisher
Cambridge University Press