2008 Fiscal Year Annual Research Report
不妊治療経験者の選択と岐路、その支援:多様な親子関係を築く女性と子どもの語りから
Project/Area Number |
19683005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 裕子 Kyoto University, 教育学研究科, 教務補佐 (20437180)
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Keywords | 不妊 / 人生径路の多様性 / ナラティヴ / 非血縁の親子関係 / 支援 / 質的研究 / 養子縁組 / 発達臨床 |
Research Abstract |
「不妊治療で子どもをもつことができなかったが、養子縁組で子どもをもった」女性とその子どもを対象に、ライフストーリーインタビューを行い、次の目的に研究を行う。 目的1 : 不妊に悩み、治療を経て養子縁組を選択した女性の発達過程の検討 目的2 : 非血縁の親子関係を築く過程の検討 目的3 : 不妊治療過程における、治療終了後の生活を視野に入れた心理社会的支援の検討 以上の目的のもと、次の3つのことを行った。 1) 知見のまとめ いままで得たインタビューデータを見直し、不妊治療を経て養子縁組を選択した女性の発達、非血縁の親子関係・家族関係を築く過程の検討、心理社会的支援の検討を行った。 2) インタビューの実施 不妊治療では子どもをもつことができなかった女性、ならびに、養子縁組により非血縁の親子関係を築いてきた女性(子ども側)にインタビューを行った。前者の女性は不妊治療でも子どもをもつことができず、養子縁組を考えたが、夫婦間での見解が一致せずに夫婦で暮らす選択をした人であった。彼女の語りからは、子どもをもつことにこだわらずに、次の選択に目を向けていこうとする成人期の女性の発達が明らかになった。また、後者の女性は、非血縁の養親に育てられた人であった。自分が育てられてきた経験と、自分の子ども(実子)への思いとを重ね合わせながら、血縁の有無とは関係のない次元での親子関係・家族関係の築きについて語られた。20年度は、インタビューをさせていただいた方の数は少なかったが、これまで得た知見を裏付ける貴重な語りが聴き取られた。 3) 学会での発表、論文の執筆による研究知見の普及 ウィーン大学との研究交流、国際発達心理学会ならびに国際心理学会への参加と発表など、国際的な場で、大いに知見や意見の交換をし、研究交流を行った。また、論文をまとめる作業を通じて、研究知見の学術的・社会的普及に尽力した。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Time in Life : women's uncertainties regarding infertility treatment.(Time, space and culture : Chronogenesis in human life course)2008
Author(s)
Sato, T., Valsiner, J., Ma, Chuan, Takahashi, N., Mahmoud, H. W., Yasuda. Y., Scheithauer, H., & Chaudhary, N.
Organizer
The 29th International Congress of Psychology
Place of Presentation
ICC Berlin, Berlin, Germany
Year and Date
2008-07-25
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