2009 Fiscal Year Annual Research Report
不妊治療経験者の選択と岐路、その支援:多様な親子関係を築く女性と子どもの語りから
Project/Area Number |
19683005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 裕子 京都大学, 教育学研究科, 研究員 (20437180)
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Keywords | 不妊 / 人生径路の多様性 / ナラティヴ / 非血縁の親子関係 / 支援 / 質的研究 / 養子縁組 / 発達臨床 |
Research Abstract |
「不妊治療で子どもをもつことができなかったが、養子縁組で子どもをもった」女性とその子どもを対象に、ライフストーリーインタビューを行い、次の目的に研究を行う。 目的1:不妊に悩み、治療を経て養子縁組を選択した女性の発達過程の検討 目的2:非血縁の親子関係を築く過程の検討 目的3:不妊治療過程における、治療終了後の生活を視野に入れた心理社会的支援の検討 以上の目的のもと、次の2つのことを行った。 1)冊子の作成による知見のまとめと普及: これまでインタビューを行い聴き取った語り(ナラティヴ)の分析をもとに、当事者支援ツールならびに高校生・大学生・一般の人々を対象とした社会啓発・教育ツールとすることを目的に、冊子『子どもをもつことができなかった夫婦の人生の選択-不妊治療をする、その次の選択』を作成した。その内容は、不妊に悩んだり非血縁の親子関係を築くなどといった少数派を生きる人々の経験と選択を示したものである。 2)国内外の学会など研究交流の場での発表と意見交換、論文の執筆による知見の普及に向けたまとめ: 海外では、イギリス・ロンドン大学で開催された研究発表・交流会、および、ノルウェー・オスロで開催されたヨーロッパ心理学会に参加し、研究発表ならびに意見交換を行った。 国内では、日本心理学会、日本質的心理学会、日本発達心理学会、対人援助学会などに参加し、心理学、社会学、医学などの近接学問領域における研究者や現場支援者の知見を積極的に聴取した。また各学会で研究発表を行い、意見の交換をはかった。 そして、論文を執筆し、知見の社会的共有・普及に向けて、研究成果のまとめを行った。
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Research Products
(20 results)