2009 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害児の認知情報処理とその発達の客観的評価に基づく経年的支援
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19683009
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡崎 慎治 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (40334023)
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Keywords | 特別支援教育 / 発達障害 / 認知情報処理 / 学習困難 / 注意 / 電気生理学的手法 |
Research Abstract |
前年度までの検討に基づき,対象となった児童生徒への指導・援助プログラム実施前後の客観的評価結果の変化を分析するとともに,個々の対象児ごとの変化の相違点についてプログラム実施前の認知特性の状態像との関連を中心に考察を行った。特に,基礎的データの蓄積から得られた成果は学術雑誌への投稿,および日本心理学会での発表に反映された。また,心理・教育的アセスメントの活用可能性については,これまでに継続して代表者が日本版の標準化に関与した個別実施の認知検査であるDN-CAS認知評価システムを客観的評価のためのツールの一つとして活用する方向性について,日本LD学会,K-ABCアセスメント学会等の発表に反映された。 また,得られた結果を広く教育現場に還元するために,客観的評価を含めた指導・援助プログラムの活用可能性について検討した。その成果はまだ確定できているとはいえない段階ではあるものの,その成果の一部はK-ABCアセスメント学会,日本LD学会での研究発表に反映された。 研究業績に反映しにくいものの,研究に参加した児童生徒の保護者や学校教師等の関係者には報告書の作成,報告会での報告を通したフィードバックを行うことができた。 今後の課題として,電気生理学的手法や脳科学的手法による評価は教育現場では実施困難であることもあり,データから考えられる対象児の変化をどう説明するかという観点から,指導者の関わりにおいて指導者の認知過程と対象児の認知過程がどう共同するかについて,電気生理学的手法の結果が心理学的手法による評価から得られた情報をどう補完するものかを中心に,検討していく必要があると考えられる。
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