2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19684002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 誠 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (70312634)
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Keywords | 初期値問題 / 適切性 / 非線形シュレディンガー方程式 / ストリッカーツ評価 / 非線形波動方程式 / 外部問題 / 消散型波動方程式 |
Research Abstract |
微分型非線形項を持つシュレディンガー方程式を2次元空間において考察し、初期値問題における時間大域解の適切性理論について研究を行った。2008年にT.OzawaとJ.Zhaiは上記問題を3次元以上の空間で示したが、その際に、ストリッカーツ評価と呼ばれる時空間評価の有用性を示す方法で考察した。その方法の延長では2次元空間において、ストリッカーツ評価はエンドポイントと呼ばれる丁度評価が破綻する臨界点評価に相当する。本研究ではこの臨界的な状況とシュレディンガー方程式の平滑化効果との関連性を調べ、ベクトルフィールドの方法と呼ばれる手法により回転微分も新たに考察することで2次元空間における問題を考察した。 3次元空間にコンパクトな障害物がある場合の波の伝播を表す非線形波動方程式の外部問題において、障害物の近傍で波の捕捉が生じるような境界近傍で、局所的な消散効果が働く場合の解の適切性について研究を行った。本研究においてはKeel-Smith-Sogge評価と呼ばれる時空間評価が鍵となる評価の一つであるが、特に、この評価の証明にはホイエンスの原理を組み込んだエネルギー法と、修正エネルギーモーメントを用いたエネルギー法、および、調和解析学に基づく平滑化効果を用いた方法があることが分かったので、それら3者の相互の関連性について研究した。
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Research Products
(1 results)