2009 Fiscal Year Annual Research Report
低バックグラウンド微細飛跡検出器による大深度地下実験室での暗黒物質探索実験
Project/Area Number |
19684005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
身内 賢太郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (80362440)
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Keywords | 暗黒物質 / 宇宙線 / 素粒子実験 / 大深度地下 / 測定技術 |
Research Abstract |
本研究では独自に開発した三次元ガス飛跡検出器「マイクロTPC」を用いた方向に感度を持つ暗黒物質探索実験を行った。本研究のの神岡地下実験室でのfirst resultをPhysics Letters B 686(2010)11として出版した。 その後、2009年4月より11月までバックグラウンド低減の為にラドン及びγ線への対策を行い、2009年12月より2010年10月までの期間、暗黒物質測定を行い、約1kgdaysの観測量を得た。この間、活性炭を用いたガス循環システムの効力によって、2ヶ月間ガスゲインの低下のない連続測定が行えている。測定結果の高エネルギー事象の解析によって、ラドン起源のバックグラウンドの計数率は約1/10に低減したことを確認した。これも活性炭を導入したことによる。また、検出器のガスゲインの位置依存性を詳細なゲインマップによって補正することで、ガンマ線バックグラウンドの寄与も1/10以下に低減することが確認された。暗黒物質に対する解析は現在進行中である。 2010年10月には低バックグラウンド化の一環として、検出器構成材料を低バックグラウンド材料のものに変更(ガラス強化フッ素樹脂をテフロンに変更)、調整を行っている。 また、さらなる感度向上の為に、京都大学において低圧力(現行0.2気圧のCF4ガスを用いた測定に対して、0.1気圧のCF4ガス)ガスによるエネルギー閾値の低下を目指した基礎実験を行い、さらなる発展への指針を得た。
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