2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19684007
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
吉田 光宏 High Energy Accelerator Research Organization, 加速器研究施設, 助教 (60391710)
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Keywords | 加速器 / 電子管 / マイクロ波 |
Research Abstract |
本研究では低い印加電圧でも高効率な新型電子管の研究開発が目的である。電子管で空間電荷を回避し、印加電圧を下げつつ高効率化を図るため、進行方向に変調せずにビームを分散させるように変調をかける方法(円偏波型)や、多ビーム化が容易にできる冷陰極三極管(IOT)、波長に比べて広いビーム径が利用可能になるオープン空洞型等の電子管について研究を行ってきた。まず電子管を効率的に試験するために欠かせない冷陰極電子銃カソードについては、昨年度製造した高圧パルス電源及び電子銃試験チェンバーを用いて、多数の陰極の試験を行った。特にカーボンナノチューブ陰極については、適切な抵抗値の抵抗体を挟む事により、放出電流を平均化する事で放電を抑制し、大面積でも十分な電流が取れる技術を確立した。この冷陰極カソードにより従来電子管の製造で最も手間のかかっていた、ベーキング処理や、RF窓を省き、繰り返しの電子管の実証試験を大幅に容易にした。さらにこの冷陰極カソードを用いて冷陰極三極管の製造を行い、Cバンド入力・Xバンド出力での高調波増幅管の動作試験を行った。また円偏波型電子管については空洞を製造し測定を行った。さらにオープン空洞型についてもグレーディンクでπ/2モードの伝搬モードを蓄積するための寸法比を求める事に成功し、Xバンド帯での後進波発振が確認できた。なお、これらの電子管は中電力の電子管をターゲットとし、大電力クライストロンと同等な、パービアンス及びカソードローデイングにスケールして低電圧での試験を行った。
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