2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19684010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
組頭 広志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (00345092)
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Keywords | 光電子分光 / 表面・界面物性 / 強相関エレクトロニクス / 強相関電子系 / 量子井戸 / 酸化物超構造 / 酸化物ヘテロ構造 / 酸化物薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、レーザー分子線エピタキシー法により原子レベルで構造を制御した「強相関酸化物量子井戸構造」を作製し、その電子状態を光電子分光法により直接決定することで、新規な低次元電子状態をデザインすることにある。そのため、本年度は、立ち上げが終了し、現在稼働状態にある薄膜用5軸低温マニュピレーターを用いて、「酸化物量子井戸」で発現する新規な2次元電子状態にターゲットを絞って研究を行い、下記の成果を得た。 1.SrVO_3超薄膜における次元性誘起金属絶縁体転移 バンド幅制御による金属・絶縁体転移(MIT)の起源を調べるための新たな手法として、酸化物量子井戸構造による次元性制御MITというアプローチを開発した。具体的には、伝導性酸化物であるSrVO_3(SVO)超薄膜をSrTiO_3(STO)基板上に作製し、その膜厚を原子レベルで制御してその場光電子分光を行った。その結果、元素置換(Sr_<1-x>,Ca_xVO_3)ではMITが報告されていないペロブスカイトV酸化物において膜厚依存のMITを観測し、その実験結果を理論計算と比較することにより、観測されたMITが次元性の低下(3次元から2次元)に由来したMITであることを明らかにした。 2.SrTiO_3/La_<1-x>Sr_xMnO_3(LSMO)/SrTiO_3サンドイッチ構造におけるLSMO膜厚保依性 LSMO層の膜厚を制御したSTO/LSMO/STOというサンドイッチ構造を作製し、その電子状の膜厚依存性を硬X線光電子分光法により決定した。また、得られた結果を磁化測定結果と比較し、LSMO/STO界面において4ML程度の非磁性絶縁体LSMO層が形成されることをを明らかにした。 3.劈開性を持たないペロブスカイト酸化物の角度分解光電子分光 劈開性を持たないことから未だフェルミ面決定されていないLSMO,SrVO_3,SrRuO_3について、放射光を用いた高分解能角度分解光電子分光をおこない、3次元のフェルミ面を決定した。
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[Journal Article] Pressure-induced change in the electronic structure of epitaxially strained La_<1-x>Sr_xMnO_3 thin films2009
Author(s)
K.Horiba, A.Maniwa, A.Chikamatsu, K.Yoshimatsu, H.Kumigashira, H.Wadati, A.Fujimori, D.Nomoto, S.Ueda, H.Yoshikawa, E.Ikenaga, J.J.Kim, K.Kobayashi, M.
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Journal Title
Phys.Rev.B
Volume: 80
Pages: 132406[1-4]
Peer Reviewed
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[Journal Article] Coherent and incoherent d band dispersions in SrVO_32009
Author(s)
M.Takizawa, M.Minohara, H.Kumigashira, D.Toyota, M.Oshima, H.Wadati, T.Yoshida, A.Fujimori, M.Lippmaa, M.Kawasaki, H.Koinuma, G.Sordi, M.Rozenberg
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Journal Title
Phys.Rev.B
Volume: 80
Pages: 235104[1-4]
Peer Reviewed
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