2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシン技術の導入によるパルス強磁場中微小スピン計測の高感度化
Project/Area Number |
19684012
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大道 英二 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (00323634)
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Keywords | マイクロマシン / パルス強磁場 / カンチレバー |
Research Abstract |
微小スピンの高感度計測に向けた、マイクロ計測装置の作製を可能にするための環境整備を行った。具体的には、反応性イオンエッチング装置、真空蒸着装置、リソグラフィー装置など微細加工に必要な機器を購入し、試運転を行った。また、微細加工専用の部屋を確保し、一連の微細加工プロセス装置を一箇所に配置した。簡易クリーンブースやドラフトチャンバーなども配置し、安全かつ効率的に作業が行える環境を構築した。次年度以降、それぞれの装置の加工条件の最適化を行い、実際のマイクロ計測装置の作製に取り組みたい。 また、微小スピンの検出感度を向上するため、光検出による高感度力検出法の開発を行った。Fabry-Perot干渉計の原理を用いて、微小な力をカンチレバーの変位として検出する方法である。光ファイバー光学系の採用により、取り扱いが簡便かつ高感度に測定可能なシステムを構築した。現時点で10^<-10>m程度の変化まで検出できる感度を実現している。現在、更なる高感度化に向け、除震システムや検出回路の改良を行っている。 また、微小スピン検出の測定法として、カンチレバーを用いた電子スピン共鳴(ESR)に着目し、装置開発をおこなった。カンチレバーに貼り付けた試料が電磁波を吸収する際に生じる、微小な磁化変化をカンチレバーで検出する。約1μg程度の微小試料に対して、パルス磁場中でのESR信号検出に成功した。これまでのところ、周波数領域としては100 GHz程度であるが、原理的には周波数に対する制約が少なく、更なる高周波化が可能であると考えている。測定感度の評価から、従来のESR測定法に比べて1000倍以上のスピン検出感度があることがわかった。
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Research Products
(5 results)