2007 Fiscal Year Annual Research Report
完全電離イオン液体プラズマによるナノ分子マテリアル新製法
Project/Area Number |
19684020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 俊郎 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30312599)
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Keywords | 気相-液相界面 / シース電場 / イオン液体 / DNA / カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
初年度は,気相一液相界面プラズマ実験装置を作製し,液相領域及び気相領域でのプラズマ電位構造とそれに伴う諸現象の物理機構を解明することを主な目的として実験を行った. 1.蒸気圧が極めて低いイオン液体を導入することによって,大気圧及び減圧下において気相一液相界面を有する高周波及び直流放電プラズマの生成に成功した.このプラズマ中の気相と液相の両領域に静電プローブを導入して放電電極間の電位構造を測定した結果,気体プラズマ中では接地されたアノード電極と同程度の0V近傍の電位を示すとともに,イオン液体プラズマ中では液相中に設置したカソード電極の電位と同程度の電位を示し,気相一液相界面領域に急峻な電位勾配が形成されていることが分かった. 2.この電位勾配により気体プラズマ中の正イオンが加速され,イオン液体との界面領域へ照射されていることが明らかとなった.この時,イオン液体色の顕著な変化が観測されたため,照射時間や照射エネルギー等を制御してイオン液体の紫外-可視光吸収スペクトル解析を行い,プラズマイオン照射とイオン液体物性変化との関係を明らかにした. 3.イオン液体からの二次電子放出に伴う放電電圧の低下,イオン液体構成元素である炭化水素の気体プラズマ中での発光等が観測され,イオン液体に対するプラズマイオン照射に起因すると考えられるこれらの新しい現象の物理的考察を行った. 4.分子動力学シミュレーションにより,イオン液体プラズフ中の電位構造及びDNA等の極性分子の動的挙動の解析を開始した.
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